インフル インフル

なんのことだい？ってな題名ですが。。。
年末にどうやらインフルエンザA型を頂いたようで。。。
（チビちゃんが私と同じ症状で
病院に駆け込んだらインフルエンザのA型と言われて「はっ！私もかっ！」と。。。）

39度2分だとか39度9分だとかの高熱で働く脳みそは
悲しい事や、なんだか暖かい思い出なんかを
奥の方の引き出しから
そっと持って来てくれるようでして
12月の、もう年が数日で変わるんだよって日の夜中に

私は
昔の暖かな思い出を
夢の中で一人
映画を見るように
思い出したのでした。。。






。。。。。。
高熱の思い出。。。



そう、あれは。。。私が小学校高学年の
やっぱり年末の寒い日が続くある日。。。

早朝からのお仕事で、一番に起きる母が
父を起こしに来たようで。。。（私は父と母の間に寝ておりました☆よっ！末っ子！）

いつもは朝3時とかの事なので
私は気が付かないうちに、父も母もお仕事はじめているのですが
この日はちょっと、ボソボソと話し声が聞こえて
私はうっすらと目を覚ましたのです。

どうやら母が「大丈夫なの？」とか「今日仕事お休みにする？」とか
そんな事を父に、少々困った
心配そうな声で話しているようでした

父は短気ですぐに怒ってしまう人で
やっぱりこの日も、少々声を荒げて「休みに出来るわけがないだろう」てな事を
いつもよりも元気無く、でもイライラと答えているのでした。

今起きたら、とばっちりで怒られる！！！

私はそう思ってたぬき寝入りを決め込むのですが
内心は（何があったんだろう。。。）と
少々心配で、目はぱっちりと冴えてしまっていたのでした。

そうこうしていると
いつものように、お仕事の準備をはじめようと1階に降りて行く父の元気の無い足音。。。
心配そうに後ろから付いて行く母の足音。。。

私もとっても心配になってしまって。。。
しばらくたってから
どうしたんだろうと、1階に降りて行ったのでした。


階段を下りると左手に居間があり
右手に少し廊下があって、一段降りて扉を開けるとお店があります。

お店の方は電気は付いているものの。。。人の気配がありません
んじゃー居間は？。。。
。。。居間ではなく
その奥のお風呂場の方で和やかな会話がされているようでした。


お風呂場？と思って
そっと
お風呂場を覗くと

父が足を洗面器につけながら座っておりました。。。
母は湯気の、もあもあと出ているやかんを片手に
「もう少しお湯足す？」とかそんな事を何度か、父に尋ねているのでした。
父は「あーっ、だいぶ楽になってきたなぁー」と
寝起きの時のイライラとした口調では無く
やさしい穏やかな口調で、母に言っているのでした。

私は「どうしたの？」だか「何をしているの？」だか
そんな事を父と母に聞いたのでした。

すると

今まで背中を向けて座っていた父が
半身を少しねじって、私の方を見て
にっこりと笑って、恥ずかしそうに。。。
「ん、高い熱が出ちゃってね　でも仕事休めないだろっ
　　　　　　したら、かあさんが足湯してみる？っていうからさぁー」
と　汗を顔一杯にかきながら答えてくれたのでした。

母もやかんを持ったままにっこりと笑って得意げに
「だから言ったでしょっ、この間新聞で読んだんだから！」

私も父の足下を見ようと
さらに近付いて
「これでお熱下がったの？もう平気？お店やるの？」
すると父は
「お店は休まないよ。かあさんのおかげで、熱も汗ででちゃったみたいだから」
恥ずかしそうな笑顔でそう答えるのでした。

私はなんだかうれしくなって
「おかあさんすごいね」って言ってしまったのでした。







。。。。。


早朝の
父と母の不安そうな声と
お風呂場のなんだかうれしそうな父の背中と
得意げで安心した顔の母
ほんの数十分の出来事だと思うのですが

不安と安心のまじりあった
なんだか暖かい思い出なのです。



インフル　インフル

高熱が
懐かしい思い出を運んでくれました。。。

目が覚めた時に目に入ったお仏壇

小さな写真立ての中で
母が小さな私を抱いて笑っていて
父もまた、力強い腕で
幼い私を抱っこしてくれています。

インフル　インフル。。。高熱の思い出